小論文の添削をしてみて

前に述べたように、私は小論文の添削をしていました。
そこではそのレベルに合わせて問題を作成していましたが、やはり何回もやっているとレベルが上がっていくのには驚かされました。
最初のころは作文と区別もつかないような書き方をしていた人が、回を重ねるごとに就職試験でも高得点をあげるような小論文を書いていくのですよ。
ここではほぼ小論文を書くのは初心者、という人たちの添削をしてみて気がついたことを書きたいと思います。
最初に感じたことは、「小論文の書き方を作文と間違っている」という点でした。
小論文とは、自分の考えを主張することが重要です。入学試験や就職のときに小論文がなぜ採用されているのかというと、やはりその人の読解力や理解力、考えを端的にしることができるからです。
そのときに、「自分は〜と考える」と主張できないのであれば、小論文を書く意味はありません。
きちんと自分の考えを述べていく。これは当たり前ですが重要なことになります。

また「文字が読みにくい」これも多く見られました。またあとで、小論文を書く際の心構えとして述べていきますが、文字をきちんと書くことも必要なことです。
別に上手でなくてもいいのです。読み手に自分の考えを伝えるためには、まず「読んでもらう」ことが必要です。
下手でもいいのです。丁寧に書いていきましょう。

自分の考えを読み取ってもらうために、これらのことに注意して小論文を書いていきましょう。

 

よい小論文とは

小論文とは、どのような点が評価されるのでしょうか。そしてどんな小論文がよくて、どんな小論文が悪いのでしょうか。
このことを知っておくと、書き方を知る参考になると思われます。

就職する企業や、大学入試の際、などで評価が変わることはあるかもしれませんが、評価が高い小論文の条件はそのツボを押さえておかなければなりません。
これまでも何度か出てきているとは思いますが、まとめて述べておきたいと思います。

●課題の意図を理解し、設問に適切に答える:「〜について賛成か反対か、あなたの意見を述べよ」という設問なのに、「賛成」であるとも「反対」であるとも明確にせずに論じていったならば、設問に答えているとは言えません。
その論の内容から「おそらくは反対なのだな」と読み取れたとしても、明確に示していないということで減点の対象となってしまいます。
思い込みだけで論を展開していくことは、設問無視、と取られても仕方がありませんよね。問題文や課題文をしっかり読む、ということは簡単で当たり前のようですがとても重要なことです。

●読み手を説得させるだけの論を展開していく:あなたの考えを裏付けるような具体例や体験などを述べて、一貫した主張を読み手に伝えていくことが必要です。
就職の担当者に、「なるほど、そうか」と思わせるだけの説得力が小論文のよい書き方には必要となります。

●独創性:これがあると、多くの小論文の中から目をひく存在になることは間違いないでしょう。「携帯電話の是非」について問われたときに、「否定」しておいてその理由をありきたりなものにしてしまう。
これでは多くの中に埋没してしまっても仕方ありませんよね。否定するにしても、あなたの体験に基づく独創性があったりすると、評価は高くなります。
もちろん、独創性が高いだけで根拠が希薄なものはダメですけれどもね。

●意欲が感じられるもの:就職試験などに使われるものですから、自分をアピールしていきましょう。前向きな論を展開しておくと、好印象です。

これらの条件を満たしていると、評価が高まることは間違いないと思われます。

 

悪い小論文とは

前に、評価が高い小論文の書き方の条件について述べましたから、今度は評価が低くなってしまう小論文について述べていきますね。
もちろん、「評価が高い小論文」の逆をやってしまうと評価が下がってしまいます。
それだけではなくて、「やってはいけないこと」を書いてしまうと、就職などの場においてその小論文の評価は悪くなってしまうのですよ。

●出題の意図から外れて、勝手な論を展開してしまう:こういう人はよくいます。設問を読んだはずなのに、意図を勝手に解釈してしまうのですかね。
この後にも書きますが、もうこの時点でアウトですよね。

●自分の主張がない:課題文型の時にかなり見受けられますが、課題文のなぞりだけ、になっている人がいます。小論文では「あなたの考え」が問われているわけですから「主張がない」というのは致命的ですよ。
一般論などにすりかえることも多いようですが、あくまでも「あなたの主張」を展開してください。

●感情的になりすぎる、独創的すぎる:よい小論文のところで「独創性」について述べましたが、読み手の共感を得られないほどの「独創性」は印象を悪くしてしまいます。
「独創的」にこだわるあまり、反社会的な論になる場合がありますが、これも印象は当然悪くなってしまいます。
また小論文では「客観性」や「冷静さ」が必要ですから、「絶対に許せないと思う」などの表現は感情的であるとみなされて評価は下がります。
冷静に論を展開しましょうね。

●論の構成をしっかりたてる:あなたの一貫した主張を読み手にわかってもらうために、構成力が必要となってきます。
必ずしも決まった構成はないのですが、一般的には「あなたの考え」→「裏付けるための具体例など」→「考察」→「考えを再提示」という構成が一般的ではあります。

●文法間違いや誤字・脱字が多いもの:後に述べる「小論文の書き方の注意点」にありますが、国語の基礎力が問われるような間違いは当然評価が下がりますよ。
注意しましょう。

希望の就職先に入るために、これらのことに気をつけましょうね!

 

小論文によく出るテーマ1

大学入試でも就職試験でも、そのときどきによってよく出る小論文のテーマというものがあります。その年の社会情勢を反映して特に気になる課題などが選ばれるのです。
そのテーマが直接関わるような就職先であれば、必ず出ると言ってもいいでしょう。
これだけで全て、というわけではありませんが、私が考えられる小論文のテーマについて示しておきたいと思います。どれが出てもいいように、書き方や情報を頭に入れておきましょう。

●女性問題
*男女雇用機会均等法:1985年に成立した採用、昇進、教育訓練などあらゆる雇用管理に関して男女の差別を禁止する法律。しかし、実際には難しく今も男女差はなくなっていない。1997年に改正された。
*男女共同参画社会:男女が人権を尊重し、責任を分かちあい、対等に社会参画すること。1999年に男女共同参画社会基本法が成立。
*ジェンダー:生物学的性差に対して、歴史的に形成された社会的・文化的性差のこと。その性差から解放されて能力を発揮する考え方をジェンダーフリーという。
他にも育児休業制度(男性も取得可能に)、夫婦別姓など。

●家庭
*これからの社会に対する家庭の役割:最近は家庭の役割が薄れているため、という問題がある。そのため出題される可能性がある。
*虐待:近年は増加してきている。2000年に児童虐待防止法が施工されたが、歯止めがかかっていない。

●教育
*学力低下:学校週五日制をはじめとするゆとり教育によって学力低下が叫ばれている。一方学力を重視する動きもあり、学力格差が広がっている。
他にも、いじめ、教育再生会議、食育など。

どうです?書き方がわかるものがいくつかあったでしょうか。

 

小論文によく出るテーマ2

小論文に選ばれるテーマの分野は多岐に渡っています。ですから、前に述べたように広く浅く色々なことを知っておいたほうがいいわけです。
そのほうが様々な小論文の書き方を選ぶことができますからね。そして就職の担当者にあなた自身をアピールしましょう。

●高齢化
*年金問題:社会保険庁のずさんな管理が明らかになった年金問題。これについてはおよそのことは押さえておいたほうが無難。
その他に今問題になっている後期高齢者医療についてや、介護の問題など。

●少子化:育児ができにくい環境、子供を持つ女性の就職が事実上難しいこと、少子化による日本の将来図など。

●食の安全性:中国からの輸入食材の問題や、食品偽装問題など。これらも記憶に新しいことなので、知識を蓄えて書き方につなげよう。

●人権
*メディアの加害者への報道:マスコミの取材について報道に固執するあまり、人権を無視しているような報道はないだろうか。プライバシーの侵害にあたるとも考えられる。
その他、凶悪化する少年犯罪の増加にともなう少年法の改正、依然としてなくならない差別、外国人労働者など。

●医療・福祉
*生命の尊厳:医療技術の進歩によって延命が可能となっている。脳死問題や人工授精についてなど、生命の尊厳が脅かされているのではないだろうか。
*障害者:障害者の自立および社会参加を支援するため2004年に障害者基本法が改正された。自立した生活を支援するものであるが、補助金の打ち切りなど問題も多く抱えている。
その他にも、また問題になっている医療ミス、ボランティア、バリアフリーなども重要。

 

小論文を書くには

小論文を書くのに、これをやっておけば、ということを一つ挙げるならば、やはり新聞を読んでおくことでしょうか。
もちろん、そのことが就職試験に必ず役立つかというと、そう言い切ることはできません。
しかし小論文には後で述べますが、出題のパターンというものがあります。
そのなかで「テーマ型」というものがあるのですが、この「テーマ」がやはり時事問題を扱ったものが多いのです。
最近多いのは、「地球温暖化」についてなどでしょうか。
サミットでも議題になるようですし、こういったことを交えながら論じていくと企業の担当者には好印象だと思われます。
地球温暖化を論じながら、その解決策として講じられていることや、あなたが就職したい企業でも取り組んでいることなどを挙げて自分をアピールすることもできます。

もちろん、小論文をきちっと書くことも必要ですが社会人になるにあたって最低限の知識があるかどうか見られる可能性があるのも、また小論文の怖さといえるかもしれませんね。

あとは「少子化問題」や「フリーターやニートの問題」など挙げればきりがありません。
このように例をあげて、あなたは書き方がすぐに頭に浮かびますか?

知らないことをいい加減に書くことはマイナスにつながりますが、あなた自身が社会に目を向けていることは小論文にもきっと役に立つと思われます。

家で新聞をとっている人は、今日からでも新聞を読んで、時事問題について知っておきましょう。
そしてわからないことがあれば、「イミダス」や「知恵蔵」、または家庭に必ずはあるでしょう「広辞苑」で調べておくというくせをつけましょう。
できればそのなかで、小論文の題材になりそうなものを選んで書き方などの対策をとっておくとよいと思われます。

 

小論文での原稿用紙の使い方

原稿用紙の使い方にも決まりがあります。字数のところで句読点について少し述べましたが、原稿用紙を正しくつかって小論文を書いていきましょう。
書き方の基本、と言ってもいいかと思います。就職する際に見られるのは、このあたりですよ!

●書き始めや段落を変えるときには、1マスあける:たまにマスをあけずに書き始めている人がいます。また明らかに改行しているのに、次の段落の頭が1マスあいていない人もいます。
書き方に注意していきましょう。

●「!」「?」は使わない:思わず使ってしまいがちでしょうが、小論文では使わないほうがよいです。会話文がもし出てくるようであれば、そのなかであれば許容範囲ですけれどもね。

●句読点(、や。)、かぎかっこ(「」)はそれぞれ1マス使う:行末にこれらがきたときは、文字と一緒に書いてもかまいません。しかしそうでない場合は必ず1マス使って書きましょう。
行の頭にこれらがこないように、前の行の最後に文字と一緒に同居させましょう。

●ふりがなは不要:原稿用紙の横にふりがなをふってある人が見受けられます。しかしふりがなは必要ありません!あて字のような漢字を使ってそれを読ませたいと思うかもしれませんが、あて字は使わないほうがいいでしょう。
印象を悪くしてしまいます。

●間違えたら消してやりなおす:当たり前なのですが、斜線で訂正して横に書いてある人がやはりいます。
こういうものは読み手の印象を悪くしてしまいがちなので、きちんと消して書き直しましょう。就職という大切なことがかかるのですから、手間をかけてきれいに消しましょう。

 

小論文の出題パターン・テーマ型1

小論文には出題にパターンがありますが、大きく分けて3つのパターンです。この一つ一つのパターンによって、書き方も異なってきますので見ていきましょう。

●テーマ型
就職試験と併用して小論文が出題される場合には、このパターンが一番多いのではないでしょうか。
就職させる側の企業も、出題しやすいと思われます。
一つのテーマが与えられ、それについてのあなたの考えを問うものです。
例としてあげると、「最近あなたが気になったニュースを一つあげ、そのことについてあなたの考えを述べなさい」「あなたが挑戦したいと思っていることを一つあげ、述べなさい」などなどです。
就職試験としては、「この会社に入って取り組みたいと思うことを一つあげ、抱負を述べなさい」などのような出題もあるかもしれませんね。
このパターンのテーマはいくらでもあります。

ここで注意すべきことは、まず問題文をよく読む、ということです。
「一つあげ」と出題してあるのに、やる気を見せるためにいくつも挙げる。もうこれだけで出題の意図から外れていますからアウトです。
私が採点者であれば、書き方はいくらよくてもここでかなりの減点とします。
小論文の出題テーマはどれも同じである、などと簡単に考えて問題文を軽くとらえることは危険なことです。人は思い込みやすいものですからね。
必ず問題文をよくよんで、指示にしたがって論を展開していきましょう。
問題文を読む、ということが良い小論文の書き方の第一歩となるのです。

 

小論文の出題パターン・課題文型1

テーマ型ほど多くはないかもしれませんが、このパターンも書き方を知る上で無視はできません。
課題文型とは、添えられている課題文を読んで、そのことについての出題に答えていく小論文です。
朝日新聞の「天声人語」などを課題文として答えさせることも多いと思われます。

就職させたい企業が一番この考えを読み取るのに適している、と思っている課題文が選ばれますから、それをあてる必要などはまったくありません。
本や解説文などありとあらゆるところから引っ張ってこられるわけですからね。

大切なことは課題文をしっかり読む。そして筆者が一番言いたいことであろうところに線をひっぱります。
そのうえで今度は問題文を読んで、やはり「あなたの考え」をしっかり述べていきましょう。
課題文をふまえたうえで、あなたの考えを述べることが重要です。課題文を無視してしまったのでは、減点の対象になります。

少し長くなりますが、例を挙げて説明していきましょう。
「プレッシャーについて」ということで、筆者は「頑張れ」という言葉が「プレッシャーになるのでよくない」と述べてある課題文があるとします。
そして問題文は「この課題文をふまえたうえで頑張れ、という言葉に対するあなたの考えを示しなさい」だったとします。
そのように出題されているのに、「私は頑張れという言葉はよいと思う」とだけ示して論を展開してしまったとしたら、課題文をふまえているとは言えません。
あくまでも課題文ではプレッシャーになると書いてあるのです。
その意見と反対の意見を示すのであれば、筆者の意見を論破していかなければなりません。

当たり前のようですが、課題文型の小論文では、このように課題文を無視して書いている人がかなりの数いるのですよ。書き方に気をつけて就職に向けてがんばりましょう。

 

小論文の出題パターン・データ型

これはおそらく一番少ないパターンだと思われます。就職に際して、データを示してそれを論じていくことを重視する会社が試験として採用するくらいだとは思います。
ですが、念のため記しておきますね。
名前の通り、まず何かのデータを示されます。そしてそれをもとにあなたの考えを問われることになります。
小論文の書き方としては、なんだか難しく捉えがちかもしれませんがそんなことはありません。
これも定石どおりに考えていけば、書き方は案外簡単なのですよ。

このパターンの小論文を書くのにまず必要なことは、「データを読み取る」ことです。当たり前ですよね。
そしてその「データの特徴を考える」ということも必要です。そして問いにデータを使って答えていくわけです。

例えば、女性の年齢別の労働力の率を国別に見るグラフがデータとして示されたとします。
問われているのは、「日本の女性の働き方について」の考えです。
データをきちっと見て、他国との比較を行います。その結果、日本の女性だけにある特徴を読み取って、その特徴についてあなたの考えを示していくわけです。

この時に女性の労働環境の問題などについて、日頃から新聞などで勉強しておくと論が深まるでしょう。

あくまでもデータを読み込んで、そのうえで自分の考えを述べていく必要があります。
課題文型と同じで、データを無視することは減点の対象となります。あくまでもデータ、を元にすることが必要です。
就職試験のために、このパターンの小論文の書き方も覚えておくとよいですね。

 

小論文を書く際の注意点1

前に述べたことと関連して、小論文の書き方で注意しなければならないことをいくつか挙げておきたいと思います。
いずれも就職などに関して常識を問われるので、注意しましょう。

●題名について:小論文では題名は必要ありません。「〜についてあなたの考えを述べよ」という問題だとすると、「〜についての私の考え」というのは明らかにいらないことですよね。
小論文では字数がそのぶん足りない、とみなされてしまう場合もあります。作文とは違いますよ。

●漢字について:最近は携帯電話やパソコンに頼ることが多いためか、漢字の間違いが多いことが目に付きます。
よくあるのは友達、などの「達」の字ですが羊のところが二本になっているのです。
他にも色々ありますが、「緑」と「縁」を間違って使っていたりする場合もありました。似たような漢字ですからね。
また、この年齢であれば書けるはずの漢字をひらがな表記にしてあるのも減点の対象になる場合がありますので注意しましょう。
書いてみて、「おかしいな?」とどこか感じる漢字は間違っている可能性が高いものです。
漢字については就職や入学試験で常識が問われます。書き方にも注意してじっくり見直しましょう。

●数字について:基本的に小論文は縦書きになっていると思われます。縦書きで数字を使う場合は基本的には「漢数字」を使いましょう。
「高校3年生」というのを縦書きで書いてあると違和感がありますよね。「高校三年生」と書きましょう。
例外として、課題文のなかにそのような表記があり、それを使う場合はかまわない場合もあります。

 

小論文を書く際の注意点2

小論文の書き方の注意点をどんどん述べていきますね。就職においては、ちょっとしたことが競争相手を比べられて命取りになりがちです。
ミスをなるべく少なくしておきましょうね。

●文体について:文体には「です・ます体」と「だ・である体」がありますが、小論文の場合はどちらかというと「だ・である体」のほうがよいと思われます。
そのほうがより自分の考えを強調できるようになりますよね。
「私は〜だと思います」よりも「私は〜だと思う」のほうが断定的ですし、断固たるあなたの考えを就職する企業の読み手に伝えることができます。
かといって「です・ます調」が悪いということではないのですが、どちらかというと、ということです。
また文体を途中で変えないでくださいね。「だ・である体」で書き始めたのに、途中で「です・ます体」になってしまう。これでは減点されてしまいます。
文体は最初から最後まで統一させた書き方にしましょう。

●話し言葉の使用:これは本当に多いです。「私は○○だと思うけど」この文章どこがおかしいかわかるでしょうか。「けど」というのは話し言葉になります。
「けれど」が正しいですよね。「あと、私は○○だとも思う」この場合の「あと、」も話し言葉になります。「そして」などの接続語が使えます。
日常に使っている言葉は論文としては使えない言葉がたくさんあります。もちろん、「超うざい」などは論外です。
このような言葉を小論文で使ってしまうと、就職の面接でいくら丁寧な言葉を使っていたとしても、本当のあなたを見られてしまうことになります。気をつけましょうね。

 

小論文を書く際の注意点3

なんとなく小論文を書く際の注意点がわかってきたでしょうか。書き方には本当に注意が必要です。就職がかかっているのですから普段の自分とは切り替えて小論文を書くようにしましょう。

●「ら」抜き言葉:最近ではこの言葉がもしかしたら認められつつあるのかもしれません。ですが、小論文では使わないほうがいいと思います。
「着れる」は「着られる」ですし、「来れる」は「来られる」です。もしくは、「着ることができる」「来ることができる」でもいいですね。
無意識に書いているかもしれない書き方なので、ことさら注意が必要だと思います。

●一人称について:小論文の一人称は「私」で統一しましょう。男性も女性も使えますし、これでかまいません。
よくあるのは男子で「自分は」「僕は」「俺は」という一人称を使っている人が多いですね。そして普段は「私」を使い慣れていないせいなのか、最初は「私」なのに途中で「僕」などに変わっている場合が多くあります。
読み直すときに、文体や一人称が統一できているかきちんとチェックしておきましょう。

●字数について:就職などに用いられる小論文は主に800字が多いかと思いますが、字数について注意が必要です。
決められた字数の8割以上は必ず書くようにしましょう。800字であれば640字です。もしも8割以下であれば、論を十分に展開したとみなされず、場合によっては減点されてしまう場合がありますので注意して必ず8割以上は書きましょう。
内容を充実させるために、9割以上が本当は望ましいのです。800字であれば、720字ですね。
できれば、最終行のギリギリまでは書きましょう。その際に注意ですが、句点が最後のマスに文字と同居する場合は、もしかすると字数オーバーとみなされてしまうかもしれません。
句点も一文字と考えておさめるようにしましょう。

 

小論文と作文の違い1

小論文と作文。この二つの書き方の違いを明確にしていきましょう。

まず作文とは何なのでしょうか。
小論文とは違って、作文は個人の内面や経験について問うものが一般的です。
みなさんが苦手であろう読書感想文もこれに含まれるでしょうし、「私の好きな本」「将来の夢」「大学生活で一番力を入れたこと」「就職して一番やってみたいこと」など一度は書いたことがあるでしょう。
これらも就職や大学入試などで小論文として出題されたこともあるでしょうが、厳密に言うとこれらは作文になると思われます。
作文は「個人的」という観点で書かれていること、これが小論文との大きな違いです。
作文は印象的だったこと、感動したことについてその理由を明らかにしながら感想や考えを述べていきます。
だからこそ、「好きなように、気ままに」書いていけるのが作文なのです。
作文での評価ポイントは、感受性と表現力です。感情が豊かに表現されている文が高く評価されるのです。
作文の書き方は感性しだい、ともいえるかもしれません。

しかし、感受性や表現力は持って生まれたものが生きてきますよね。
だからいつも、作文で表彰される人は決まっていませんでしたか?私には感受性や表現力はありませんでしたから、読書で培った言葉を駆使してなんとか書いていた、というのが作文でした。

一方、小論文に感情は必要ありません。
ですから持って生まれたものは関係ないのです。であれば、みんなが同じスタートラインなのですから小論文のほうが書きやすいといえるかもしれませんね。

 

小論文によく出るテーマ3

その他にも小論文のテーマとなるものを続けてあげておきます。これらが実際に出る、と思って書き方を研究しましょうね。

●社会問題
*格差社会:豊かな社会になっている一方で、社会の格差が広がり問題になっている。特に正規に就職するのではない雇用形態の収入や保障の格差が問題である。先日起きた秋葉原の事件も派遣労働者という不安定な身分に絶望感を抱いた犯人による犯行だったことがわかっている。他にも地域格差や世代間格差などがあげられる。
その他にニート・フリーター・派遣労働者問題などの就職問題、犯罪の凶悪化、インターネットなどの情報の氾濫・匿名化など。

●環境
*環境破壊:地球が様々な面で限界を迎えていることが科学的に証明されてきている。そのためにこの問題については押さえておかなければならない。書き方も考えておこう。
*地球温暖化:空気中の二酸化炭素が増加して地球全体が温室化している状態。私たちに何ができるのか、身近な問題として捉えておこう。
その他にもリサイクル運動など。

●その他:異文化理解、日本語の乱れなど。

特に今年は洞爺湖サミットなども開催され、地球温暖化に対する問題も多くなるかと思われます。
また8月に開催される北京オリンピックでも大気汚染などの問題が出ていますから、なおさらかもしれません。

これらを注意して小論文の題材を集め、書き方を研究しておくとよいでしょう。日々ニュースを見る癖をつけましょう。
社会情勢を知っているかどうか、が合否を決めますよ。

 

いろいろな立場の意見を知っておこう

小論文はもちろん「あなたの考え」を具体的に述べていく、という書き方をするものではあります。
しかし、よく知らないことについては「あなたの考え」を示すことすら難しいですよね。
前に述べたように、就職においては一般的な社会情勢を知っておくことが必要ですから、新聞などで知識を仕入れておくことは最低限必要なことです。
それと平衡して、世間の人々の考え方も知っておきましょう。
あきらかに「悪いこと」なのに、あなたの考えが「よいと思う」からそれを通してしまったのでは、就職において担当者にはあまりいい印象を持たれないでしょう。

そのようなことに目を向けるために、テレビの討論番組や報道番組を見てみるのもよいのではないでしょうか。
特定の案件に対して、論者が様々な意見を言っていきます。
あなたの考えと同じ人については、「このように論じると納得できる」と感じるでしょうし、「この論じ方では納得できない」と思えばあなたならばどう論じるべきなのか、シミュレーションができます。
また、どんな考えにおいても反対の立場に立つ人はいるわけですから、その立場を頭ごなしに否定するのではなく、「なぜこの人はこう考えたのか」などと興味を持ってみましょう。
小論文を書くときに、「反論もあるだろうな」と予測しながら書いていくこともとても重要なことですからね。

日頃からアンテナを張り巡らせて、社会の動きや出来事に関心を持つようにしましょう。独りよがりな小論文の書き方では、読み手を納得させることは難しいですよ。

 

小論文の書き方「主題の決め方」

小論文をいきなり書くことは難しいと「小論文と作文の違い」で述べました。ではどうやって書いていくのでしょうか。
まずは何を書くのか、あなたが何を言うべきなのかを出題されたテーマから探らなくてはなりません。「何を述べるのか」というのが、主題です。
出題例別に書き方を述べていきますね。

●二者択一のテーマ設定:これはいわゆる「小学生に携帯電話を持たせるということにあなたは賛成か反対か意見を述べなさい」というような出題のものです。
このテーマが出題されたならば、まずあなたの立場で考えてみてください。あなたが「持たせてはいけないのでは?」と思うならば「私は小学生が携帯電話を持つことに反対である」ということがまず主題になりますよね。
この場合はこれでまず書くことが決まります。ここから具体的に「なぜそう思うのか」ということを考えて小論文を書きましょう。

●言葉が一つのテーマ設定:これは「資格を取ることについてあなたの考えを述べよ」といったような「資格を取ること」というように言葉が一つになっているテーマのことです。
これについては素直に「資格をとることは必要である」と思えばこのことが主題になります。

●言葉が二つのテーマ設定:「権利と自由についてのあなたの考えを述べよ」というような言葉が二つあるテーマのことです。
これはかなり高度なのでなかなかないテーマ設定だと思われますが、「権利」と「平等」なので必ず二つにからめて考えを述べることばもとめられます。
「自由に生活するうえで、権利はかかせないものだ」などと二つとも主題として示すことが書き方として必要です。就職のための出題者のひっかけにのらないように注意しましょう。

●課題文や資料がある場合の設定:これは最も重要な単語を選びましょう。表などの場合は、その特徴を探し出して端的に一文で示して主題としましょう。

就職の道は険しい、ですね!

 

小論文の書き方「メモを書く」

小論文で自分が述べるべき「主題」が決定したら、次は構成するためにメモを活用していきましょう。
課題文などがある場合はそこにメモをする。また、原稿用紙しかない場合は消せるように薄くメモを残しましょう。

書き方ですが、まず主題を書きます。(例)私は携帯電話を小学生に持たせることには反対である。
そしてその周りに「なぜ」そう思ったのか、いくつか書いてみましょう。
必要ではない。携帯電話でのコミュニケーションには小学生では不安な部分がある。お金がかかる。私の妹が塾通いのために持っていたが、友達からの情報で有害なサイトに登録してしまっていた・・・などなど。
これは多いほどいいです。そしてそのなかで、自分が一番書きやすく論じやすいものを探して決定します。
「妹」のことに決定したとすれば、小学生に持たせることが早すぎた、友達に流されず自分で物事を判断できる年齢までは持たせるべきではない、などの考えを書き溜めます。
ここまでくれば、小論文はできたも同然です。就職に向けてあとは小論文を書くだけ、です。

結論で、「よって携帯電話は小学生に持たせるべきではないと私は考える」と締めるように論を組み立てていけばできあがりです。

このように、メモの書き方を知ってある程度は構成しておかないと、小論文を書くことは難しいのです。
しかしメモはメモですから、あくまでも下書きと間違えないようにしてください。メモ作りに熱中して、小論文が書ききれなかったりしたら本末転倒ですからね。

文字を書くには時間がかかりますよ。600字ならば60分はかかるかもしれません。制限時間×10が書ける文字数だと思って下さい。
それで時間を計算してメモを書いてくださいね。
就職というあなたの人生がかかっているのですから、時間配分は間違えないように!

 

小論文の例文1

それでは、実際にどういうような小論文の書き方なのか、例文をのせておきます。
のちにこれについての補足をしますので、あなたも読んでみてください。就職試験の参考になれば幸いです。
なお、横書きの書き方でもありますし、書き方の注意点である項目を見ておかしいところはあると思います。一字下げることもしていませんが、文章だけ参考にしてくださいね。
あくまでも文だけを見てください。段落については後で述べます。

●「信頼」についてあなたの思うところを述べよ。

「信頼」とは、相手のことを信じて頼りにすることである。立場や年齢の違いを意識しているうちは「信頼」関係など生まれない。
お互いに一個人として良さも悪さも認め合って、はじめて「信頼」できるのである。

私はある音楽系のクラブに所属していた。音符も読めない人から、ずっと音楽に親しんできた人までが一緒に演奏する。どうしても、技能の差や学年によるすれ違いが起こってしまう。
私は幼い頃からピアノを習っていたこともあって、ある程度の音楽知識があった。練習不足のパート員の分も私が弾かねば、という気負いと、私よりも技能が上の後輩に負けたくないというプライドがあった。
そんな私はみんなの音が聞こえなくなっていたのだ。そんな時、友人に肩をポンと叩かれたのだ。「一人でがんばらなくても、周りの人もいるよ。もっと肩の力を抜いて。」目が覚める思いだった。
いつの間にか、私は自分の力不足を過剰な自信と学年で隠そうとしていたのだ。頼ることを恥と思っていたのだ。
しかし、互いを信じ、足らないところを補い合うことで一体感は生まれる。頼ることは弱いことではなく、自分の不足を認めるとても勇気のいることなのだ。

企業内でも同じことである。人と人との間に「信頼」関係が薄くなってきたと言われているが、それはお互いが敵対して上下の物差しで見ているからだと私は考える。
もちろん、企業内では上下の関係は必要ではあるが、お互いに一個人としてみていくことが評価などにもつながるのではないだろうか。
きっと誰にでも良い面と悪い面があるという当たり前のことに気付くだろう。それを認め合ってみんなで補い合うことで、「信頼」関係が生まれて、共に成長できるのだ。

私はクラブ活動を通して、人を「信頼」することの難しさと大切さを学び、「信頼」できる仲間を得た。社会人として就職してもこの体験を常に忘れないようにして、「信頼」できる人間関係を築いていきたいと思う。

あなたはこの小論文を読んで、どう思うでしょうか。

 

小論文の例文2

1に書いた小論文を見て、あなたはどう思いましたか?
ちなみに、段落は行をあけているところで変えていると思ってもらいたいので、これは4段落構成になります。
原稿用紙にすると800字程度ですが、少し長いかもしれません。そのあたりはいいとして、文章はどうでしょうか。

第一段落で、「信頼」という言葉に対するあなたの考えを述べています。
そして第二段落で、具体的に体験を述べることでその根拠を補強していますね。
第三段落では、「信頼」ということが企業内で必要となってくることを述べています。
そして第四段落では抱負を示して「前向きな自分」をアピールできています。

おおまかなところはこれでいいかと思いますが、気になることをいくつか挙げておきましょう。
まずは、体験談が少し長すぎるということ。これは、もう少し省略して、「生活文」的な色を排除してみてもいいですね。
そして多様な切り込みができていないということです。自分の体験を主張しているために、一面的な認識になっています。

決して悪い書き方ではないのですが、やはり体験談のところが少し気になりますね。
ここをもう少し省略して、「信頼」について多面的な意見をいれるともっとよくなると思います。
例えば「信頼」し、されることによって何が生まれるのか、など考えてみることもできるでしょう。

小論文の書き方には、決して「これが正解で、100点」というものは存在しません。
100人いれば100通りの小論文があるわけですから、当たり前ですよね。
ですから、前にいろいろ述べたようなことに注意しながら、就職に向けて書き方を考えていきましょう。
就職の担当者が「これは!」と思うような小論文を書くために、がんばりましょうね。