小論文について

「小論文を書く」というと、あなたは何を感じますか?「小論文書くのが大好き!」という人ももちろんいるでしょうが、大多数の人が苦手意識を持っているのではないでしょうか。
それは一体なぜなのでしょうか。確かに小論文は作文とは違い、好きなことを思いつくままに書く、ということではありません。
しかし、書き方はそんなに難しいものではないことも確かです。ちょっとしたコツさえ掴めれば、ね。
もしかしたら、あまり小論文のことをわからないままに苦手意識を持っているのかもしれませんね。

必要なのは「慣れる」ということです。「好きなように書けない」のであれば、その書き方をマスターすればよいのです。
もちろん数学のように、小論文の答えは一つではありません。だからこそ、色々に書くことができますし、あなたの色を出すことができるのです。
言い換えれば、あなたの考え方を企業に知ってもらうのにこれほど適した問題はない、ということですよね。
あなたという人間の素晴らしさ、その考えをアピールする絶好の機会なのです。

大学入試などで実施した大学も多いでしょうが、就職にも小論文は試験として出されることが多くなっています。
企業にとっては唯一その人の「人となり」が知れるものなのですから、当たり前かもしれませんが。

私は以前小論文の添削をしていたことがありますから、そのあたりのこととあわせて就職試験であわてない小論文の書き方をこれから述べていきたいと思います。

 

小論文を書く心構え

小論文でも作文でも、文章を書くときの心構えは案外重要です。何も考えずに書いていると、就職などのライバルが多くいる場合には僅差で落とされてしまうこともあるでしょう。
わずかでもライバルに差をつける書き方をするために、気持ちの持ち方について述べておきたいと思います。

今までも「読み手」についてはふれてきましたが、当然小論文には評価をしてもらう「読み手」がいます。
大学の試験や就職などの場において、この読み手はかなりの数の小論文を読んで評価をしていくわけですから、文章の「第一印象」は良いほうがいいですよね。
では文章の第一印象とは何かというと、それはやはり「読みやすい字」ということではないでしょうか。
添削をしていて気がついたところでも書きましたが、上手な字でなくてもいいのです。あなたが書ける字のなかで、精一杯の丁寧さで書いていく。これでいいのですよ。
あくまでも「読んでもらう」ということを意識して書き方を考えていきましょう。

また小論文は「あなたの考え」を述べていくわけですから、曖昧な表現はやめたほうがいいでしょう。そして同じくらい「言い訳がましい」のもマイナスポイントになってしまいます。
「言い訳」を論じていくぐらいならば、多少はハッタリでもいいので強気で書き進めましょう。
もちろん、根拠のないハッタリはいけませんが、要はそれぐらいの負けん気が必要だということです。気持ちで負けてしまっては何にもなりませんからね。

とにかく自信をもって、読み手にわかりやすく、言い訳をしないで論じていく。このような気持ちで書きましょう。

 

小論文を書く際の注意点4

就職などに使われる小論文については、必ず読み手を意識したものにしなければなりません。そのために「リズムよく」読ませることも必要です。
リズムのある小論文の書き方についての注意点を述べておきます。

●一文は短く:一文がだらだらと長くなってしまっては、読み手が意味を追いかけるのに疲れてしまいます。
また長すぎる文章では、文の主語と述語が呼応しなくなっている場合が多く、意味が通らなくなってしまうこともおきてしまいがちなのです。
このことを防ぐために、一文は40字程度で書くようにしましょう。

●読点の使い方:読点はその文章の意味を変えてしまうくらいの力を持っているものです。この読点をうまく使うことで、文のリズムを作ることができるのですよ。
読点は意味が伝わるように、上手に活用していきましょう。
「私たちを、取り巻く環境は日々めまぐるしく、変化している」この一文を読むと、何かつっかえてしまうような感じがしませんか。
これを正しく直すと「私たちを取り巻く環境は、日々、めまぐるしく変化している」となります。印象が大きく変わっていますよね。
また、読点の場所も重要ですが、数も重要です。よくあるのですが、読点の数が多すぎる文章は読みにくいものです。
就職においては、「読みにくい小論文」というものがどんなにあなたに不利になるかわかりますよね。
様々な文章を読んで、適切な読点の打ち方や書き方などを自然に覚えるようにしましょう。

 

小論文を書く際の注意点・その他

就職するための小論文を書くためには、書き方に本当にこまごまとした注意点が必要です。
なかには「言わなくてもこんなことは常識でしょ」というようなこともあるかもしれません。しかし、小論文の添削をしてきた立場から言えば、この常識は今ではあまりないといえると思います。
だからこそ、細かいことも記しておきますね。必要でない人は、自分が必要な点だけを覚えておいてください。

●「思う」「思います」の多様は避ける:小論文では、自分の主張を書くために「思う」等の言葉が多くなってしまいがちです。
この言葉を使って悪いというわけではありませんが、多用するとあなたの主張が弱い印象を与えてしまいます。
また、とても使いやすい言葉であるために、小学生でも多く使われがちです。そのため、あなたの主張が内容によらず非常に幼稚な印象をも与えてしまいます。
小論文とはあなたの主張を述べるものです。それなのに、「私は〜と思います。それは〜が〜であるからだと思われます。」などと書いていると、主張があいまいになってしまうのです。
「思う」を使いたいときは、「〜と考える」「〜と推測される」などという表現に変えてしまいましょう。
また、「〜すべきだと私は思う」などの場合は思い切って「〜すべきだ」という表現にしましょう。
そうすると、あなたの強い主張を感じる文に変わりますよ。小論文は、就職の担当者にあなたの考えを見せるためのものなのですから、そのつもりで書きましょう。

●体言止めや倒置法は小論文では不要:体言止めは文末を名詞でとめるものであり、倒置法は語順を逆にすることで印象を強める方法です。
これらは小説や作文などではよく使われる書き方ですが、「感情を表現するもの」ですよね。
小論文では感情を表現することは必要ではありません。また技巧的な表現も必要ではないのです。
あくまでもシンプルに、感情に流されることなく自分の考えを述べていく。これが小論文なのですからね。

 

小論文と作文の違い2

作文に対して小論文は、「小さい」といえども「論文」です。
作文が「個人的」観点で書かれているというならば、小論文は「社会的」観点から書かれているものと言っていいと思います。
小論文では、技巧的な文章のうまさなどは必要ではないのです。
求められるのは、「客観性」「論理性」「冷静さ」です。
確かに学会に発表されるような論文や、卒業論文のような規模の大きな論文ではありませんが、端的に自分の意見を示して就職における担当者にわかってもらわなければならないのです。
逆に言えば、自分の主張を端的に決められた字数で述べられれば、小論文においては合格なのです。

決められたテーマについて、提示された字数で、自分の考えを、なぜそのように考えたのかという理由や具体例を挙げて説明している文章、というのが小論文です。
もしも何かのことについて、「賛成か反対か」との問題が出たときに、「賛成」と述べたのします。
ではなぜ賛成しているのか、具体的に身近な例などを挙げて説明していきます。
さらに「反対」している人についてもそのような意見もあることを考慮しておけば、より深い内容になるでしょう。

あなたの考えを、就職の担当者に「そうか、そう考えているのならばこう結論づけるのもわかるな」と客観的に納得させるようにしましょう。

ですから、思いつくままに書いていくということは、小論文に慣れた人でも難しいと思います。
そこで小論文は書き方というのが重要になってくるのです。次からは書き方について述べていきたいとおもいます。

 

最近の就職試験に小論文が多いわけ

従来、就職試験は学科の試験のみで、あとは面接という形が一般的だったと思います。
それがなぜ今小論文の試験形態が多くなってきているのでしょうか。

確かに学力試験で、その個人の「勉強力」ということはよくわかるかもしれません。しかし今、学力だけではその人間の「質」が問えなくなってきているのです。
その「質」を見るために小論文での試験が重要になってくるわけです。

小論文の試験で一体なにがわかるのかというと、まず読んだだけで書いた人の考えがわかりますよね。
物事をどのように捉えているか、そのことについてどう考えるか、理解力と判断力を持ちバランス感覚を持っているのかもわかるのです。
また、物事に対する姿勢、というものも見ることができます。積極的に物事を考えているのか、それとも消極的なのか。
多数の小論文を見てきて、私にも「この子は前向きだな」などということがわかりましたよ。
誠実さや人間性も文章にはあらわれます。そう考えると小論文ってすごいものですよね。
ちなみに、この「すごい」も話し言葉ですからご注意ください(笑)。
また、社会情勢についてどの程度の知識があるのか、常識力もわかります。

小論文という限られた字数のなかでも、「書いたことを人に伝える」ということは、今までその人が培ってきた文章に対する力も必要になります。
つまり、基礎学力も書き方から知ることができるわけです。

どうですか、本当に小論文は無敵の試験でしょう?この書き方をきちんと知って、就職に生かさない手はないですよね。
今からでもまったく遅いことはないので、小論文対策はしっかりやっておきましょう!!

 

小論文の構成の仕方

前に述べたように「主題」を決め、メモをとったならば書きすすめていきましょう。

主題は小論文の書き方の「柱」となるものです。当然、柱は一つだけがいいですよね。
しかし柱をどれにするか迷ったならば、少しずるい方法ですがあなたが「書きやすいもの」を主題に持ってくるといいと思います。
就職のための小論文は、あくまでも企業に採用してもらうためのものです。多少思っていることと違っても、きちんと論を組み立てられるほうを選んでもそれは良いと私は思います。
そして柱がきまったならば、メモで書いておいた「具体例や体験」などは柱を支える根拠となります。

ここまで決まったならば、あとは構成しながら書くだけです。色々な構成があるのですが、一番簡単なのはやはり下のような書き方だと思います。

第1段落:主題となることを書きます。あなたの主張をまずここでしておけば、論が途中で一貫性を失いそうになっても立ち直りやすいものです。

第2段落:なぜそう考えるのか、根拠となった具体例や体験を述べていきます。いくつもダラダラと書くのではなく、字数は限られているので一つに絞って書いたほうがいいでしょう。

第3段落:第2段落をもとにして、考察をすすめます。その体験からあなたは何を考えたのか、端的に自分の主張へとつながるように考察をしていきましょう。

第4段落:主題を再提示させて、結論づけます。主題を発展させることができれば一番いいですが、難しいようならばただ繰り返し述べるだけでもいいと思います。
もう一度主張を繰り返して、あなたの考えを就職する企業の担当者に強調するということですね。

字数が800字以下であれば、第3段落は省略して3段落構成で書きましょう。
200字以下の場合は段落はなしでよいと思います。

 

小論文の出題パターン・テーマ型2

それでは、具体的にどのような書き方をすればよいか、述べていきたいと思います。

テーマ型の小論文で、「最近あなたが気になったニュースを一つあげ、そのことについてあなたの考えを述べなさい」と出題されたとすれば、まず主題として気になったニュースが何なのかを書かなければなりません。
そしてそれを選んだ理由などを具体的に述べて、あなたの意見を書いていきます。
ここで気にかけておかないといけないのは、この問題文をどういう意図で就職の担当者は出題しているのか、という点です。
出題者は、「この人は現在の社会情勢をいかに知っているか、そしてどんなに社会に関心を持っているか」ということを知りたいのです。

この出題の簡単なところは、「最近のニュース」であれば地球温暖化の問題でも、青少年の事件のことでも、何でもいいということです。
ですから、自分の意見が書けそうなものを選べばいいわけです。
ただし、そのニュースに「なぜ関心を持ったのか」ということを具体的に提示していかなければなりません。
また、社会に対してネタを多く持っている人が勝ちなのです。

今回は「最近のニュース」という問題を例にしましたが、例えば「地球温暖化について」というテーマが出たとして、そのことについて何も知らなければまったくのお手上げになってしまいます。

どんな事柄も深く知る必要はありませんが、広く浅く多くの情報を手にいれておくことが小論文の書き方には必要です。
そのなかで、自分が確実に論じることのできる題材をいかに持っているのか、ということで就職できるか勝負が決まることもあります。
その意味で、日頃の情報収集を新聞などからしっかりとしておきましょう。自分なりのノートなどをつけておくのもいいと思いますよ。

 

小論文の出題パターン・テーマ型3

就職試験でテーマ型小論文の問題文を読んだら、自分の立場・考えをまず確定させるといいと思います。自分の立場を「主題」にするのですが、これは後に「主題の決め方」として述べていきます。
小論文の柱となる「主題」を決めたならば、その主題を支えていく根拠が必要となります。
メモをとるところで述べていますが、この根拠は多ければ多いほど書きやすいです。
そしてあなたがこの問題について言いたいことも多いわけですから、主張にも力が入りますよね。
この「主題」を支える、「なぜそう考えたのか」という根拠が少ないようであれば、その主張についてちょっと論じることを変えたほうがいいかもしれません。
しかし小論文は時間との戦いです。そのあたりの切り替えは素早く行って、書きやすい主張を述べていくようにしましょう。
書き進めてから変えることは難しいですからね。

間違ってはいけないのは、「根拠」を多く述べるだけではダメだということです。
主題を支える根拠は一つか二つまで。多く論じてしまうと、まとまりがなくなってしまいます。就職試験の担当者にもあなたの言いたいことがストレートに伝わりにくいですよ。
また字数が限られていますから、まとめられなくなることもあるでしょう。
最もあなたの主題を支えると思われるものをメモのなかか拾って述べていきましょう。

そして書き方の基本ですが、小論文の最後は主題を再提示させて結論づけるとあなたの考えがよくわかります。
また言うまでもないことですが、主張は一貫性を持たせましょうね。
最初と最後で主張が違っていては、あなたの考えを述べたものとはとても言えませんからね。
以上がテーマ型小論文の書き方となります。

 

小論文の出題パターン・課題文型2

近年の就職や大学試験で増えているのが、課題文型の小論文です。主な書き方は1で説明しましたが、ここでは「要約」について述べていきたいと思います。
課題文では難しい専門的なものから、比較的やさしい文章のものまで様々なものが出題されます。
そこで、就職の担当者は本当にこの課題文をあなたが適切に読んでいるのかを確かめるために「要約」をさせることがあるわけです。
具体的には「本文を○○字以内で要約しなさい」という形で出題されます。もちろん、要約だけではなく、その上で考えを問う論文もあるのですけれどもね。

要約は苦手な人がいるかもしれませんが、実際は簡単です。
課題文の流れに沿って要約していくだけですから、あなたの考えなどは一切いりません。
段落ごとに、ポイントになっている文を見つけていきます。おそらくキーワードもあると思われます。具体例が課題文にあると思いますが、これは重要ではありません。
段落ごとにポイントになる一文を見つけることができたら、これを順序良くつなげていくだけです。入れ替えてはいけませんよ。
ただつなげただけでは、とても読みにくい文章になってしまいますから、接続詞などを変換してまとまったものにしましょう。

要約の書き方として、一字下げる必要はありません。また、行頭に句読点がきたとしてもそのままでいいのです。
小論文の書き方とはこの点が異なるので注意しましょう。そして字数はできるだけいっぱいまで使いましょう。